太陽光発電問題(さらに続報)買取価格大幅引き下げ?

太陽光発電問題のあらたなニュースが入ってきました。

九州電力は、低圧と呼ばれる出力50キロワット未満の小口案件の一部について、買い取り手続きを再開すると発表しました。たぶん戸建て住宅の屋根に付ける太陽光パネルを想定していると思われます。対象は、九州電力が全面停止を発表した9月24日までに書面で申し込みをした案件となっています。

こうした動きと同時に、政府ではFITの見直しに着手していますので、間違いなく買取価格の引き下げが決まるでしょう。でなければ電力会社からの再エネ賦課金等(再生可能エネルギー賦課金+太陽光発電促進付加金)がどんどん高くなっていき、電力会社の経営上、今後高騰する可能性が非常に高くなってしまいます。(賦課金は毎年見直され、電力会社ごとに異なっています。平成26年度は中部、関西、沖縄が一番安い。)

今年度はちょうど2つある負担金が賦課金に1本化される予定でしたが、今回大幅な改訂が見込まれます。

再生可能エネルギーの普及は実に政策的色合いが強い物なので、抜本的な改善は難しいと思います。ダラダラ玉虫色の結論でみんなが平等に譲りあう(損する)落としどころで決着させる事になるでしょう。個人の売電収入を当て込んだ住宅ローンの支払い計画は、ある程度守られそうです。良かったですね。

ただ。やっぱり供給側がこういう絵を描いて一般向けに商品化するのは良くないと思います。今時、住宅ローンでボーナス払いを保証する様な物です。どうせ「制度化しています。国が保証しています。」と営業マンは言うのでしょうけど。しっかり契約書には「保証する」とは書いておらず、逆に「制度変更で変わることがある。」「保証対象外。」と書いてあるはずです。

いくら宣伝だからって、言ってることが調子いいんですよ。

もともとの制度の趣旨はあくまで自家消費が前提です。余剰は買い取りますというものであったはずです。

この問題は日々動きがありますので、注目していきたいと思います。

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日本の太陽光発電スキームがついに崩壊しはじめる

だから言ったでしょう。

九州電力、北海道電力など電力5社は、ついに新規の太陽光発電の固定価格買取制度における接続契約を停止しました。今後さらに他の電力会社も追従すると思われます。

九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答保留(PDF リンク)

要するに電気を使う以上に発電してしまうと、大停電を引き起こす可能性が高くなる。

ので。

ちょっと待ってくださいな。と言う電力会社からの話。

たぶん、このままずっと待っててね。になりそう。

数年で技術解決すると思えないし、海外への供給という事もむずかしでしょうから。

私は皮肉を込めて固定価格買取制度(FIT)の方が早く崩壊すると思ってましたが、それよりもやっぱり技術的な側面の方が先でしたね。この保留の説明会場では罵声怒号の嵐だとか。中にはこの設備投資に全財産を突っ込んだと言う人の話も聞こえてきています。

ねずみ講と同じ構図。最初に手掛けた人だけが儲かる仕組み。社会問題化した途端に一気に破綻するパターン。今回は国の政策が絡んでいるので一気崩壊とはいきませんが。

しかしこれで固定価格全量買取(FIT)はもう誰も信用しませんね。年金と同じで、後から後から「やっぱりダメなので、来年から半額にしますね。」それで終わり。

太陽光パネル一生懸命売ってきた業者さんは地元で生きていけませんね。

OB客様にはずっと前からお伝えして来ましたので誰も被害にあってません。本当によかったです。ブログを見てくださっている方(実は同業者)からも「その通りになったね。」と言っていただきました。数年前に太陽光発電のまともなビジネスは終わってたんですよ。

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太陽光発電パネルの営業現場 出力低下問題PID現象にみる。

今日たまたま太陽光の業者の方から営業がありまして、その時の話題としてこの出力低下問題が出ましたので、あらためてここで取り上げてみたいと思います。実はこの話題は2年くらいい前に出た問題です。

ところで。

太陽光設置は家庭用についてはすっかり落ち着いてきましたね。業界の動きとしては、今は産業用(10kw以上)の全量買取りが始まっていますので、そちらがメインですね。ただ、悪知恵が働く人も少なくないようで、申請だけしておいて高額買取の権利だけを手に入れてパネルの価格が下がるまで工事しない事業者がいます。今、こうした不正について国も処罰に動いていて、承認の取り消しを進めているようです。

話がそれてしまいました。

出力低下の問題ですね。これはヨーロッパ最大級の研究機関であるフラウンホーファー研究機構(本部=ドイツ・ミュンヘン)が行ったものです。それによると、太陽電池モジュール13社13製品について、独自の高電圧負荷試験(システム電圧ストレス試験)を行った結果、9社の製品に太陽光発電システムの出力低下を招く「PID」と呼ばれる現象の発生が認められたというものです。

PID現象による出力低下は平均で56%、最大で90%も低下するモジュールがあったといいます。これでは何のためのパネルか分かりませんね。発生のメカニズムはよくわからないそうですが、高温多湿が影響しているとみられています。

ここで訪れた営業マンさんのお話にいきます。

日本社では、シャープと京セラだけはこの試験に合格しています。(へーそうなんだ。)

早速調べてみます。パナソニック、三菱、東芝、ソーラーフロンティア・・・・・合格・・・・。

確かにこの話題が出た2012年当時は、2社だけでしたが、2014年の現在はほとんどのメーカーが対策を講じており、第三者機関や独自のより厳しい基準の試験によってPIDが発生しない事を確認しているようです。

正確に教えてほしいものです。

もともと本当の事なんだけれども、情報が古いため今となっては間違いや正確性を欠くという事が営業の現場では毎日のように行われています。性別年齢は関係ないとはいえ、やっぱり若い営業マンの方にこうした傾向は強いですね。

本人はいう事をマニュアル教育されて放り出され、毎日営業回りに追われてしまっているので、新しい知識習得の時間がないのでしょうね。会社も余裕が無いので、なかなかケアできないのでしょう。と言うよりも意図的に情報選別しているように感じます。

その子は悪気が一切ないので「はい。ご安心してお任せください。」と自信満々です。目の前にいる人が、業界の関係者でなく、一般の消費者であったなら、若いこのフレッシュな勢いを気持ちが良いと感じると思います。だから業界素人同然の若い営業マンで、バンバン売ってくる人が結構いるのです。本質的には悪い事ではないので、購入される方は「背中を押してもらった。」とお考えになれば納得もできるかなとは思いますが。

私としてはもっと勉強してほしいな。と思うのです。

何度もブログで書いてきましたが、太陽光パネルは軽量化が進んでいるとはいえ、戸建の一般的な設置目安である3.5kw程度で今最も軽いパネルでも、150キロになります。設置架台も入れればもっと重くなります。耐震のため、屋根の軽量化を進めているのに、余計に重い物を載せる事に太陽熱温水器の二の舞を見るようです。また、軽量化は発電効率や耐久性、先のPID問題など別の課題もでてきそうです。

それと10年間は政府との約束なのでたぶん買ってくれるでしょうね。でも、売電価格はこの先下げられると思います。でないと電力会社がつぶれてしまいます。電力会社は価格転嫁できるとはいえ、太陽光を設置しない人の負担感が高まれば、それを強いられる事への不満圧力から、無制限に転嫁できるとは思えず、電力会社の利益を削らざるを得ない事になるからです。

やはりこれから太陽光発電の設置をされる方は自己満足でやるものと割り切って考える事が良いですね。エコとか将来の年金がわりとか色々な皮算用はもう通じないステージに入ったと思います。補助金がまだ1kw7万円以上出ていた時代につけた人だけが設備投資回収できて利益を出せるのではないかと思います。投資話は何でもそうですが、みんながやり始める時はもう遅いのですね。

割り切って発電を楽しむ感覚で設置してください。

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