東京都文京区完成マンション建築確認取り消し問題

いまやマンション建設に絡む事件報道が情報番組の定番になってきました。

もちろん皆様もお気づきの通り、昔からあった問題を大手マスコミが積極的に取りあげる機会が増え、広く世間に知れ渡るようになっただけです。

むしろ昔の方が酷い事例だらけでしょう。

本件は既に10年くらい前から地元住民との間で争いがあり、完成したにもかかわらずその建築確認が取り消されたというものです。既に専門家等々が各所で論説しておられますので、ググっていただければ概ね理解できると思います。

公正をきすために住民の方々のHPもありますので参考として掲載しておきます。
こちらから→ 小石川2丁目マンションの無秩序な開発・建築を考える会

ざっと見た範囲です(なのでその範疇での意見・考えとしてみてください)

行政の縦割り問題が一番の原因 と感じました。(行政の担当者が悪いと言っているのではなく、そうした制度にしている事が問題という事です。)

業者サイドは誠意を尽くしたとは言えないまでも、相当の対応はしていると思われた事。

地域住民は建設絶対NGではなく、当初から計画変更交渉であった事。

契約者は係争中である事の事実は知った上で契約している(とマスコミ報道では言われている)事。

建築確認審査機関は当然、行政サイドとも確認を取りながらGOサインをだしているはずですが、後々判断する人が変わった場合、解釈に食い違いが出てきたものと思われる事。

関係者全員それぞれの「正義」を持っている事がこの問題をより複雑にしています。

この事件が指し示すもっと重要な根っこがあると思っています。

それは 不動産 に関する権利(所有権はじめ)があまりにも強く認められている事です。

中国の様に所有権なし、行政府はやりたい放題という極論はもちろんダメ。しかし、あの開発のスピード感は我々日本人からは想像できない芸当です。(手抜き工事など倫理の欠如したスピード感はもちろんNGです)

行政ができるだけ責任を取らない事を基礎に制度を建て付けるのではなく、これからの世界環境の中で日本としてどのような国づくりをするのかという大きな方針の基に、権利義務を明確に定めて応用力ある制度作りに「もはや待ったなし」という状態ではないでしょうか。時代の変化に対応する合意形成のあり方まで含めて見ていく事が重要です。

 

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