施工不良マンション建替え問題の陰にある問題とは

「契約したまともなマンションにして欲しい。」「設計図書通りのマンションで渡してくれ。」
マンション購入を契約した方の しごくもっともなご意見です。

裁判所でもそう判断をします。この消費者保護の傾向はますます強化されるばかり。
民法改正も予定されていて、今後は、例え建築基準法を満たしていたとしても、契約で約束した仕様でなければ、それは許されません。(債務不履行)この場合債務者(施工側)に故意過失が無かった事(帰責事由)を証明しなければなりません。これは非常に困難だと思われます。

これまで以上に現場の管理者の責任が非常に重くなると言われています。
これを受けて業界は自浄作用を発揮して改善できるのでしょうか?

ここで出てくるのが、誰が 現場管理者 なのか? と言う問題。

難しい話はすっ飛ばします。分かりやすい一例を。

大手の会社は 「土日祝日休日」 ですよね。
そして 「顧客満足度向上」 のはき違えで 感想や意見でもクレーム扱いです。

顧客アンケートと称して何かを聞けば、気軽に言いたい放題になります。答える方も深く考えている訳ではありません。何せ「気軽に何でも自由にお答えください。」と言われてるのですから。

誰だって 工期は短い方がよい。
誰だって 低価格で高品質がよい。
誰だって メンドウは無い方がよい。

結果、現場でやるべき事は毎日増え続け、現場以外での打ち合わせや資料作りも毎日増え続ける。
ところが その分のお金はもらえない。受注単価は安くなるばかり、長期の手形を押し付けられる。支払いは増える一方。

これで将来に希望を持てとなかなか言えません。若い人は業界を去っていきます。

根本のところに手を入れないと将来の維持管理の担い手はいなくなってしまいます。

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