木造住宅の柱
今日は「柱」のはなし。
昨今のお客様は皆様インターネットで良く勉強されています。
「背割」、「逆木」
なんて事も良くご存知です。
でもその意味・理由まで詳しく知っている方は少ないようです。
「背割」
ちゃんとした芯を持っている柱は必ず割れます。
幼いころ、夜寝ているとビシビシと音がして子供心に怖くなったものです。
無垢は柱の色々なところで割れていくのでみっともないため、その割れる所を集中させて見えない位置に持ってこさせるのが「背割」です。つまり、割っている以上構造強度は確実に落ちていきます。これを嫌がる人は木造に住んではいけません。あるいは集成材とするか。
集成材は理論的には優れた材だと思います。批判的な立場の方は、接着剤の剥離の問題や浅い歴史の問題を指摘されています。「無垢で造った法隆寺は100年以上」を話されます。
私は「それはそれ。」と思います。
法隆寺の歴史は常に適切な維持管理があってのもの。今の住宅が10年以上も何もしないというお宅ばかりでは、同じ理屈は通りません。それでいて広いリビング、可変性のある広い間取りが欲しいという希望は捨てられないのでですから、どこかでバランスを取らなければ成立しません。
無垢が良いです。でも集成ばかりを毛嫌いする必要もありません。今の時代。上手に使い分けていく事がバランス感覚ではないでしょうか?
次回は「逆木」について。
こちらはお客様レターで書きます。毎月お送りさせていただいているOBの方向けの情報誌です。