漆喰(しっくい) その2
しっくいとはそもそも何だ?
今どきならヤフーやグーグルの検索で、ものの10秒もあれば知ることができます。
だからここではあえて解説はしません。
が、その製造現場は語らねばならないと思っています。
先の記事に掲載した写真(山を剣で切り取ったような風景)を見てください。
こんなところから原料が取り出されてきます。
取り出された石灰岩
これにコークスと塩を混ぜてプラントへ投入します。
塩の影響でボロボロになってしまいます。
80年以上の歴史の中で手直ししつつ使い続けていく姿は、まさに漆喰メーカーとしての志のような決意を感じずにはおられません。
鋼鉄製の足場ですが、一見腐ってボロボロになった木材のように見えます。
屋根と壁はあくまで雨しのぎ程度です。ほぼオープンと言ってもいいくらい。
夏の日も冬の日もこうした吹きさらし工場で1000℃になる窯を相手に職人さんは毎日仕事をされています。
全て食べられる原料を使いますので、これだけ粉じんの中であっても健康被害が出る事はありません。
10mの窯の下では焼かれた生石灰(きせっかい)が取り出されます。
写真はこの漆喰メーカー田川産業社長の行平様
工場では1時間以上見学しましたが、全く目がかゆくなったり、喉や鼻がむずむずしたり咳き込んだりする事は一切ありませんでした。今回の見学ツアーには会員の小児科医も居ましたが、何ら問題ないと言う見解でした。
こういう空気感は絶対に現地でしか味わう事ができません。
これまで私は、
漆喰はじめ珪藻土など多くの左官材料を機能面に着目し、お客様にご提案していました。
つまり「科学」。
しかし、現地を見て、そうではない事に気が付きました。
ここには、人の住む空間を活き活きとさせる「気」がある。
それは時に落ち着きや安らぎを与え、時に温もりや爽やかさをもたらす。
つまり「自然」。
屋内に自然があればどこへ行っても人は幸せになれる。
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