耐震補強は、壊れると言う助けもある

On 2011年6月15日 by admin

普通「耐震」と言うといかに強固にするか。を考えます。

 

ところで。

車のボディにおける衝突安全性の考え方として「クラッシャブルボディ」というものがあります。

運転席のあるキャビンを強固な空間とする一方、エンジンルームやトランクルームを潰れやすくして、

衝突時の力を和らげる役割を持たせます。

 

耐震補強とはこういうものだと思います。

 

自然は常に人知の想定外です。

 

どんな大きさの揺れが来るのか分かりません。

地盤によっては、地続きのお隣よりも激しく揺れるかもしれません。

 

巨大地震でつぶれない家を作ることは計算上可能かもしれませんが、その費用負担を許容できる個人は

いないでしょう。

 

 

車と同じような思想が大切です。

家は壊れる。でも直ぐに潰れない。逃げ出せる時間を稼ぐ。

 

弱い家は論外。でも強すぎる家はそれはそれでやっかいな問題がでてきます。

 

一気に倒壊しないこと。避難路が確保され安全に戸外へでられること。が大前提。

そして、大規模震災は経済的原資を奪われる人達が桁違いにいるという点。

その上で『強すぎる家』の問題。

 

まず、保険が全壊扱いされない可能性がでてくる。

給排水等インフラは破壊されるため、家が建っていても寝ることしかできない。

建っていても建物構造は影響を受けており、その後の数百回もの余震で常に倒壊の危険にさらされる。

倒壊した後の瓦礫と化した家は行政が撤去してくれるが、建っている家は自分で解体しなければならない。

結果的に自分の費用で撤去処分しなければならない可能性が出てくる。

 

 

命が守れた。怪我も無かった。

 

もちろんそれが第一です。決して「強すぎる家』を否定しているのではありませんよ。

お金がいくらでもある方は、どんどん使っていただければ良いと思いますし、個人の自由です。

 

ここでお伝えしたいのは、賢くお金を使ってください、という事です。

 

復興にはお金が掛かります。

もともとお金持ちの家庭では、もっている資産もたくさんありますので、そういう方々の復興は私のような庶民

よりもはるかにお金が掛かるものです。

 

全体を見て、このくらいという按配を設けておく事が大切ですね。

 

耐震リフォームの設計思想とはこの按配を言います。

 

リノベーションでは、はじめに決めなければならない特に重要な事です。

 

リノベーション(大規模リフォーム)をお考えの方は、しっかと意見交換しておきましょう。

 

 

 

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