家づくりレポート NO20 屋根伏
ツーバイフォーのような枠組壁式工法では上棟時には壁も床も屋根も出来ています。1階から順番に上に乗せていくように作りますので、それだけ屋根を伏せるのに時間が掛かります。こうしてツーバイフォー工法を取る多くの現場では、下地合板が雨ざらしになっています。
一方軸組み工法は、上棟を終えれば直ぐに屋根を伏せに掛かれますので、こうしたリスクを減らす事ができます。施工中も風通しの良い工法ですので、仮に雨で濡れても湿気の逃げは大きいと思います。日本は高温多湿ですのでこうした利点のある軸組みは良い選択ですね。
写真のように軒先の瓦と屋根下地の間に通気層を設けました。それは通気穴を開けた面戸でお分かりになると思います。ここから入った空気が屋根の下地を抜けてそのまま屋根を駆け上がり、棟から排気されます。その時に、屋根と屋根下地にこもった湿気を排出していきます。
リフォームをやっていると屋根の雨漏りによる葺き替え工事という依頼もあります。その半分はまともな工事をしてあります。
そうなんです。まとも(まともと思ってきた。思わされてきた。)に工事しても湿気て屋根下地が腐るのです。そして雨漏りにつながっていきます。20年、30年先の話です。そんな先だから腐っても良いのでしょうか?腐れば、住宅ローンが終わる頃、最低100万円からの屋根改修工事が発生します。その時には立てた本人も同じだけ歳を取っています。その歳でその金額の出費は痛い。またローン組みますか?嫌ですよね。
今、200年住宅構想が言われています。瑕疵担保責任保険制度も来年から施行されていきます。来年からの新築はこうした屋根が標準になっていくと思います。私はこれを先取りしてやってみました。
良い住宅=本当の高級住宅 には この野地裏換気システムがついています。
価値のある住宅建築のためには、こういうところをしっかりと押さえておく必要あります。
今回、外壁は左官で仕上げていますが、足場に乗った左官職人さんは
「すごい屋根がのってるなあ。みたことねえよ。」
そんな感想をもらしてました。理由を聞いて、なるほどねとうなずいていらっしゃいました。
これは当社の標準仕様です。