2050年住宅建築不可能時代へ
新建ハウジング2026年住宅産業大予測の記事から。
2020年の国勢調査では大工の総数は約29.8万人。うち約3割(7.9万人)が関東・首都圏にいる。大工は最盛期の1980年には93.7万人いた。2020年までに約64万人、約68%減少した。という。
このインパクトあまりピンとこないと思います。特に一般方は。そこで自分なりに考えてみました。
まずこの原因として自然減です。つまり少産多死化の社会構造がこれを加速化せているのではないかと考えました。
※団塊の世代とは?
- 生年:1947〜1949年生まれ
- 定年退職期:2007〜2009年頃(60歳)
- ただし、大工などの職人は65歳以上まで働くケースも多く、実質的な引退ピークは2012〜2015年頃と考えられる。
団塊世代人口の推移(概算)
| 年 | 年齢 | 推定人口(万人) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1980年 | 31〜33歳 | 約680〜700 | 労働市場の中核 |
| 2000年 | 51〜53歳 | 約600前後 | 減少が始まる |
| 2010年 | 61〜63歳 | 約500前後 | 定年期、急減期へ |
| 2020年 | 71〜73歳 | 約300〜350 | 高齢化とともに自然減 |
※正確な値は総務省統計局の人口推計に基づく
大工の数の推移(国勢調査ベース)
| 年 | 大工数(万人) | 減少傾向 |
|---|---|---|
| 1980年 | 93.7 | 最盛期 |
| 1990年 | 約80 | ゆるやかに減少開始 |
| 2000年 | 約60 | 減少加速 |
| 2010年 | 約40 | 急減期突入 |
| 2020年 | 29.8 | 減少継続中 |
団塊世代の引退と大工数の推移
| 年代 | 団塊世代の年齢 | 大工数(万人) | 主な動き・背景 |
|---|---|---|---|
| 1980年 | 31〜33歳 | 93.7(ピーク) | 高度経済成長期の住宅需要で大工が最多に |
| 1990年 | 41〜43歳 | 約80 | 減少傾向が始まる(プレハブ化・都市集中) |
| 2000年 | 51〜53歳 | 約60 | 団塊世代が中堅〜ベテラン層に、若手減少が顕在化 |
| 2010年 | 61〜63歳 | 約40 | 団塊世代が定年期、引退が本格化し急減 |
| 2020年 | 71〜73歳 | 29.8 | 団塊世代ほぼ引退済み、技能継承の断絶が深刻化 |
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| ① 年齢構成の偏り | 団塊世代が大工人口の中核を占めていたため、引退とともに一気に人数が減少。 |
| ② 技能継承の断絶 | 若年層の入職が少なく、団塊世代の技術が継承されずに消失。 |
| ③ 住宅需要の変化 | 少子高齢化・都市集中により、地方の新築需要が減少し、大工の仕事が減る。 |
| ④ 工業化の進展 | プレカットやユニット工法の普及で、現場大工の役割が縮小。 |
| ⑤ 地域偏在 | 関東・首都圏に大工が集中し、地方では後継者不足がより深刻に。 |
怖いのはこの10年で倍近く減少が加速しているという事です。
記事によれば、「住宅分野における建設技能者の持続的確保懇談会」の提出資料(現代計画研究所)では、大工は2035年に2020年比で47%減少して15万7200人程度に。さらに2050年には2035年比で45%減少して8万7000人ほどになると予測している。( 新建ハウジング2026年住宅産業大予測 より引用)
このインパクトは単純に言うと、我が国で最難関と言われる東大生は毎年3,000人の入学者がいます。2050年になると日本の大工さんは各県で平均して約1,851人しかおりません。東大生に会いたければ学校へ行き門の前で待っていれば会えます。しかし大工さんに会うにはその6割くらいの希少な人にどこへ行けば会えるのかすらわからないと言う時代です。まあ、実際には地元の建築組合や工務店などを頼っていくのでしょうけど、その工務店すら手が足りなくて困っている状態になっているはずです。
現実に会えるのは予約契約して3年後くらいになるかもしれませんね。
当社ではこれまでこの社会の動きを予測して技能職の採用と育成を積極的に進めてきました。ここ数年はようやく結果が出始めて社内の多能工が育ってきました。また、毎年地元高校から新卒で来てくれるようになりました。当社だけで問題解決できるわけではありませんが、誰かがその使命を担って次世代の住宅産業のため、若い世代に投資していかなければなりません。
当社は建築現場の職人を3代に渡り70年近く育てています。これからもその姿勢は変わりません。危機感を持っている高い志の方。ぜひ一緒に日本の家づくりを現場で支えていきましょう。
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